SPECIAL

TVアニメ『メルヘン・メドヘン』
第十二話アフレコ後キャストインタビュー
楠木ともり(鍵村葉月)&末柄里恵(土御門静)

――アフレコを終えての気持ちを教えてください。

末柄:長かったようで短かったというか。本当に一回一回が濃密で、とっても楽しかったです。そんな中でもともりるの成長がすごくて、吸収力がすごいんですよ! めちゃめちゃ可愛いスポンジでした(笑)。
楠木:あっという間でしたし、終わったあとの虚無感はすごかったです。私自身は経験がない状態で始まった作品で、イベントとかアフレコとかラジオとか、いろいろなことを経験させていただいたので、私自身に直接繋がっているというか、私になっている作品だなと思いました。だって私、(最終話収録後の)打ち上げで泣きましたから(笑)。
末柄:はじめての主役だったりレギュラー作品でしか経験できないことってあるよね。私にもそういう経験があって、打ち上げで泣いたことあるのよ! もう、ぼろぼろ泣いちゃって(笑)。
楠木:本当に、ラジオやイベント、何もかもが初めてだったので、その都度発見することがありましたし、毎回毎回刺激になったというか。だから一番の思い出が決められないんです。

――全12話のアフレコはどうでしたか?

末柄:作品的に途中参加する方も多くて、空気感が出来上がってるのかなぁと不安に思っていた方もいるかもしれないんですけど、スッと溶け込んで来てくださったんです。私は1話から参加させてもらってるので、どうやったらみんなで良い雰囲気でできるのかを考えていたりしたから、みんなと仲良くなれて良かったです。でも、それで言うと、あれが天然なのかはわからないんですけど、印象的だったのは学級委員長の大津(愛理)さんですかね(笑)。
楠木:つっつ(大津さん)は存在がすごかったです!
末柄:彼女がいたからこそ締まる部分、和む部分がありました。収録する中で、うまく行かなかった悔しい!って思うことがあっても、「はい! じゃあ次行くよ! みんな集合!」みたいなことを言ってくれると、次、頑張ろう!って思えるというか。
楠木:切り替えられるんですよね。
末柄:本当に彼女の明るさは大きかったし、それぞれ優しく話しかけてくださるキャストさんもいて、みんなで作り上げたところは大きかったです。
――はじめての座長としても、みんなに支えられながらできましたね。

末柄:毎話毎話のお話でも、次回予告でも、ニコ生とかでもしっかりしてるし、一番の功労者はともりるで、ともりるなくては今回の空気感もなかったです。彼女の愛嬌があったから、みんなで団結した部分もあるし、助けようと思ったところもあったし。
楠木:嬉しいです。ラジオやイベントで司会進行が多かったですし、ラジオではゲストも多くて、最初は自分のことでいっぱいいっぱいだったんですけど、だんだんと相手に楽しんでほしいなとか、周りが見られるようになってきたというのは、自分の中で実感としてあって。成長させてくれたんだなぁというのはすごくありますね。

――12話はいかがでした?

楠木:11話が激動の展開というか、それまでとガラッと変わって、そこからどう物語を締めくくっていくのかなというのは気になっていたんですけど、すごく納得のいく終わり方でした。ちゃんと散りばめられていた伏線も回収してくれたし、ライバルとして戦っていた子たちが力を合わせることもできたし。よくわからない魔法だったグラスハートを使って、葉月自身がしっかりと魔法界での話を締めくくることができたと思ったので、本当にスッキリと、気持ちよく終わる感じでした。葉月らしい、「みんなも幸せに」という終わり方だったなと思います。
末柄:最終話になるときに、トーナメント戦だから負けてしまった学校の魅力的なキャラクターたちはどうなっていくんだろうと思っていたんです。もう見られないのかな?って残念に思うこともあったんですけど、聞いたところによると監督がみなさんを出したいと考えてくださっていたらしく、そういうところも反映されているのかなと思いました。もちろん全員というわけにはいかないですけど、たくさんのキャラクターが再度登場してくれたりして、みんなでひとつのことに立ち向かっていけたのも良かったなと思いました。葉月ちゃんも、途中でやっと魔法が使えるようになったので、どう魔法が成長していくのかなっていうのは気になってたんですけど、どんどん成長していって。みんなで力を合わせて魔法獣(フレック)を倒すことができて、すごく絆も感じられたので良かったです。
――11~12話で好きなシーンは?

末柄:個人的にはシンデレラが具現化した!みたいな。しかも、ともりるが2役やるなんて!っていうところですね(笑)。
楠木:初めは聞いてなかったですからね(笑)。でもシンデレラは結局のところお母さんだったというか。明確には描かれてなかったんですけど、最後のシーンで学園長さんがふたりの戦友の面影を見るというシーンもあったので、あれはたぶん静と葉月のお母さんなわけじゃないですか。そこがまたグッと来るものがありました。魔法少女が世代を越えて受け継がれている感じが、すごく『メルヘン・メドヘン』らしい展開だったなって。
末柄:そこに学園長さんがいるのが、また良かったよね。

――学園長さんの物語でもありましたよね。これまで思い出せなかったわけだから。

楠木:でも、学園長さんの原書が明かされるかと思ったけど、それだけは明かされなかったですね。
末柄:いやぁ、知りたいね!
楠木:あと、葉月が行ってくる!となったときに、諸国連合のシャルルとモリーと、特に言葉を交わすでもなく、頑張ってこいよって肩を叩くシーンが好きで、「友達できてよかったね!」と思いました。温かい仲間に恵まれて良かった!って。そこだけで泣きそうでした。
末柄:台本の表紙を、これまで一人のキャラクターが飾ってきてたんですけど、最後はみんななんですよ。葉月ちゃんがみんなに囲まれている構図っていうのも素敵だなって。ここまでの葉月ちゃんの軌跡が詰まってると思う!
――個人的には、リンちゃんはやっぱりカザンさんのことが好きだったところも良かったです。

末柄:やっぱりね!みたいな。
楠木:登場人物を掘り下げているところも魅力ですよね。
末柄:だからこそもっと他のキャラクターを見たくなるよね。他校の方たちは戦いの姿ばかり見ていたところがあったので、普段はどういう感じなのかな?っていうのも気になってくるような。だってアーサーさんも猿の毛づくろいしてたし、私生活が気になる(笑)。

――スピンオフはいくらでもできそうですよね。

末柄:あとは、最終話でいちゃつくこともできたしね!
楠木:一緒に遊びに行きましたね。
末柄:だって最後、お互い告白したしね!
楠木:告白がもう! 何回もやったんですよ!
末柄:そう!
楠木:「私も静ちゃんが好き。ずっと友だちでいてください」って何回もやったんです! だんだん照れてきちゃって(笑)。
末柄:そんなこともいい思い出だったね(笑)。
楠木:鍵村葉月には友だちがいないというセリフから始まって、最後に友達でいてくださいで終わるというのが、物語としてすごく良かったんですよね。
末柄:素敵な構成だなー。
――良い最終回でしたね。

楠木:葉月の出した結論が、物語をつくるのは自分たちで、私たち自身が物語なんだってことで、ここがやっぱり深いなぁと思いました。
末柄:それもきっと、美沙さんの一言があったからっていうのもあるだろうしね。他のみんなの葛藤を見る中で、どうしてもメドヘンは原書と契約するから、原書と同じ運命を辿るというのがあって。
楠木:原書に対して受け身の姿勢がみんなにある中で、葉月だけは違っていて、原書が受け身になるんですよね。葉月の考えていることが原書に反映されるところが新たな可能性でもあったりするので、そこが原書使いとしての、葉月の才能の片鱗だったのかなぁって思います。
末柄:確かにみんなが縛られている中で、葉月ちゃんだけが自由な立ち位置というか。そういうところも素敵だな、見習いたいなって思ったし、考えさせてくれるところがたくさんある作品だったよね。
楠木:私たちが物語なんです!
末柄:前に道なんてないんだ!
楠木:自分たちで切り開いていかないと。

――では最後に、自身のキャラクターにメッセージをお願いします。

末柄:12話分、その前からも静の物語はありましたが、ここで一区切りということでお疲れ様です。私も一緒に学ばせてもらったこともありますし、一緒に寄り添ってきたので、葉月ちゃんという大切な存在を見つけることができて良かったなと思います。喧嘩をするときもあるかもしれないけど、これからも、葉月ちゃんや日本校のみんな、ヘクセンナハトで出会ったキャラクターと仲良くしていってもらいたいです。彼女の夢を叶えるために精進していってもらいたいですし、私も精進していきたいと思います!
楠木:アニメ12話分終わって「お疲れ様」というのと、それと一緒にいろいろなことを経験させてくれて、成長させてくれてありがとうという気持ちです。自分と重なる部分が多くて、友達とうまくいかないとか、すごく不器用な部分もあるんですけど、しっかりと12話で成長したところもあって、自分で結論を見い出せる子だと思うので、このまま真っ直ぐ純粋な気持ちのまま、自分に自信を持ってほしいと思います。魔法使いとしても原書使いとしても、ヘクセンナハトが終わっただけで、静ちゃんにはまだまだ頼り切りなところもあるので、静ちゃんと新しくできた友達を大切にして、素敵な時間を過ごしていってほしいなと思います!

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